2016-03-29

ビットコインライトニングネットワーク(The Bitcoin Lightning Network)サマリ

翻訳元記事:https://lightning.network/lightning-network-summary.pdf
翻訳者:士林翻訳サービス
校正者:@jasagiri
翻訳記事のライセンス:CC-BY-4.0

ビットコインライトニングネットワーク(The Bitcoin Lightning Network)

http://lightning.network

ライトニングネットワーク(Lightning Network)は、即時に大量のマイクロ決済を行うための分散型システムで、信頼したサードパーティに資金管理を委譲するリスクを取り除きます。

世界で最も広く使われており、価値のあるデジタル通貨であるビットコインは、信頼される仲介者や預け先を介さない価値の送信を可能にします。ビットコインには先進のスクリプティングシステムが含まれ、ユーザーが資金に関する指示をプログラミングするのが可能になっています。しかし、ビットコインの分散型の設計には欠点があります。ビットコインのブロックチェーンで確認されたトランザクションが不可逆となるには最大1時間かかります。マイクロ決済(数円以下の支払い)の確認は一貫せず、現行のネットワークではそのようなトランザクションは手数料の面から非現実的です。

ライトニングネットワークはそれらの問題を解決します。ライトニングネットワークはビットコインに備わったスクリプティングを用いた、マルチパーティ(複数当事者)スマートコントラクト(プログラム可能なお金)の初めての実装の一つです。ライトニングネットワークはビットコインでのマルチパーティ金融処理(financial computations)における有力な開発技術です。

即時決済. ビットコインはトランザクションを10分毎にブロックに集約します。ビットコイン上の決済は、6つのブロックの確認があれば一般にセキュアであるとみなされています。これは約一時間です。ライトニングネットワークでは、決済においてブロックの確認は必要でなく、即座で一瞬です。ライトニングは小売のPOSターミナルでも、ユーザーデバイス間のトランザクションでも利用できます。実際即時決済が必要なところならどこでも利用できます。

マイクロ決済. マイクロ決済の可能性によって新しい市場が開かれます。ライトニングは0.00000001(訳注:通常1 satoshiと呼ばれる。ナカモトサトシから命名)BTCから、委譲のリスク無しで送金可能です。現行のビットコインブロックチェーンではその数百倍が要求されており、固定の取引手数料はマイクロ決済を非実用的なものにしています。ライトニングはビットコイン建てで、実際のビットコイントランザクションを用いて、最小の決済を可能にします。

スケーラビリティ. ビットコインネットワークは、自動決済の需要を満たすために、現在とは桁違いの取引量を扱わなければならなくなります。今後のインターネットに接続されたデバイスの増加を受けて、M2M(machine-to-machine)決済のためのプラットフォームと自動化されたマイクロ決済サービスが必要になります。ライトニングネットワークのトランザクションはブロックチェーン上で、信頼や所有権の委譲を伴わずに実施され、ユーザーはデバイス間でほぼ無限のトランザクションを実施できます。

仕組み. 資金は二人の当事者による、マルチシグ「チャネル」のビットコインアドレスに置かれます。このチャネルはビットコインの公開台帳へのエントリー(記入)として表されます。このチャネルからの資金を消費するためには、両当事者が新たな残高金額について合意しなければなりません。現行の残高は、チャネルアドレスから消費された、両当事者が署名した直近のトランザクションとして保管されます。決済を行うには、両当事者がチャネルから消費する新しい終了トランザクションに署名します。全ての古い終了トランザクションはそれによって無効化されます。

ライトニングネットワークはチャネルからのエクジットにおいてカウンターパーティー(訳注:相手方当事者。)からの協力を必要としません。両当事者とも一方的にチャネルを閉じ、関係を終了する選択肢があります。全ての当事者が複数の異なるユーザーとマルチシグネチャーのチャンネルを持つため、このネットワークを介して、誰もが支払いをあらゆる任意の当事者に送信できます。

セキュアな暗号学的ハッシュを知っていることを前提とした条件付き支払を埋め込むことにより、決済は、いかなる当事者の一方的な資金の所有的管理の必要なしに、チャネルのネットワークを介して行うことができます。ライトニングネットワークは、市場を独占しがちな信頼された金融システムではこれまで不可能だった事を実現しますー信頼や所有権の保護が必要なければ、ネットワークへの参加はダイナミックかつ全員に開かれたものになりえます。

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